【自分の受診を変えていく②】治療の主役は患者さん

受診

強皮症の患者さんと話していると「受診のとき、何を話せばいいのですか?」と質問される方もいます。
「私もそうだった」と思い当たる方もいるのではないでしょうか?

診断と同時に「ある日突然、難病患者」。
何が何だかわからないうちに検査が続き、治療が始まり・・・となると、目の前の医師に何をどう話せばいいのかわからないまま・・・というのは無理のない話だと思います。

診察のときに、「何をどう話せばいいのか」――その「予習」ができるのが強皮症オープンチャットです。
なぜなら、診断直後であっても強皮症のことがわからなくても、たくさんいる経験者からのアドバイスで「何を聞けばいいのか」「どう話せばいいのか」がわかるからです。

今回も2人の患者さんのエピソードを紹介します。
2人とも2022年に診断された方です。

治療は医師との協働作業

オープンチャットに参加している患者さんの中に「参加していなければ、医師に処方される薬を飲むだけで、特に何もしていなかったと思います」と投稿してくださった患者さんがいます。
今回紹介する方は、主治医との相談で主体性を発揮されている患者さんです。オープンチャットで医師と積極的にコミュニケーションを取る先輩患者さんを参考にしつつ、気になる事は自分で質問をして、不安材料を減らしていくことに成功されています。

今日は、げっぷと全身の痒みについて主治医に聞きました。

げっぷの症状について、逆流性食道炎の薬は違う薬もあるけど、同じ液体なら今までの方がよいとのことで、これまでの内用薬継続です。

痒みの薬は何種類かあるので、医師と話して自分に合うのを探しています。
痒み止めの薬の変更は4回目です。
手術痕の痛みがあるので、頓服も追加になりました。
強皮症由来の関節痛も今度整形外科に足首痛を診てもらうことにしました。

最近皮膚に点のような痣(毛細血管拡張?)が出来てその悩み事を話したら、「薬はないけど気になるならレーザーで取ることもできる」と話していました。

逆流性食道炎や咳がひどくなった時もその都度話し、薬を減らしたり新しく薬を出してくれたりと私の訴えに対応してもらっています。

LINEオープンチャット「強皮症患者さんのピア相談室」

自分で伝えていかなければ、このような薬の変更には至らなかったはずです。
自分できちんと医師に伝えたことで必要な薬が処方されていく。医師とのコミュニケーションで薬を決めていく。治療が医師との共同作業になっています。
「医師と話し合いながら自分に合う治療を探す」というコミュニケーションをぜひ参考にしてみてください。

自身の検査値データについて質問

もう一人はオープンチャットで話題になった強皮症で特徴的な抗体のひとつである「抗SS-A抗体」が医師から渡された臨床個人調査票に記載されていることに気づいたことから、受診で質問をした患者さんです。
「私は人とコミュニケーションを取るのが非常に不得意です。たぶんオープンチャットに参加していなかったら抗SS-A抗体について聞けていませんでした」と投稿しています。オープンチャットでみなさんと話すことが医師とのコミュニケーションのトレーニング、つまり「受診の事前準備」になっています。

前々回のライブトーク(オープンチャット上でのトーク機能)で話題になった抗SS-A抗体について主治医に質問出来たので投稿します。

患者「抗トポイソメラーゼI抗体陽性の他に抗SS-A抗体が陽性ですが、今後シェーグレン症候群になる可能性がありますか?」
医師「抗トポイソメラーゼI抗体でかつ抗SS-A抗体を持つ人はとても沢山いますが、シェーグレン症候群になる方もならない方もいます。抗SS-A抗体でもシェーグレンにはならず強皮症だけの場合もあります。それくらい抗体は複雑で難しいです。まずは抗体ではなく症状で判断する方が良いです。」
患者「例えば目の乾燥や口の乾きとかですか?」
医師「そうですね。症状を自覚したら検査を受けてみた方が良いと思います。検査自体はいつでもできますが皮膚を採取したりして身体の負担もありますので、症状を自覚してからで大丈夫でしょう。」

LINEオープンチャット「強皮症患者さんのピア相談室」

こうした投稿はオープンチャット参加者にとって有益な投稿になるので、「同じ病気の仲間の役に立つ喜び」も感じることができます。

強皮症ハンドブックを手に取って、専門医の解説を通して疾患の理解をする。体験談も知る。
オープンチャットで情報やアドバイスを得て、気になることを一つ一つ確認・整理していく。

そうすることで、医師とのコミュニケーションも変えていくことができます。

LINEオープンチャット「強皮症患者さんのピア相談室」参加方法

今回ご紹介したお二人が利用されている「強皮症患者さんのピア相談室」は、LINEを利用されている強皮症患者さんご本人もしくはご家族の方であれば、無料でご登録いただけます。

参加方法については下記の通りです。
参加申込より会員登録をおこなう
②登録完了後、参加コード付きのメールを受信
強皮症患者さんのピア相談室にログイン
 ※受信したメールの参加URLよりログインしてください
④参加コードを入力
⑤入室完了

仲間と話せば、昨日までとは違った医師とのコミュニケーションができるかもしれません。