強皮症における注意点

医師監修

一般的に注意していただきたいこと

  • タバコはやめてください!!
    血流を悪くしたり、肺の症状を進行させたりする作用があるからです。
  • 手足を暖かく保温することを心掛けてください。とくに外気温が低い場合は、手袋や厚手の靴下などを必ず身につけてください。
  • 大部分の患者さんは通常の日常生活を送るのに問題はありません。でも、激しい運動や疲労を残すような無理な活動は避けてください。何ごともマイペース、マイペース!
  • 勤務時間の不規則な仕事、化学薬品を扱う仕事、冷たい温度に手をさらす仕事などはよくありません。

手足指のケア、注意点

  • 一般に強皮症の患者さんは、手足の末梢の血流に障害があることが多いので、小さな傷がなおりにくいという問題をかかえています。傷を作らないように、注意してください!
  • たとえほんのちょっとした傷でも決して侮らず消毒をきちんとするようにし、さらに状況に応じて担当医に相談してください。
  • 入浴は血行を改善したり、精神的緊張をときほぐす作用があるので有用です。小さな傷や潰瘍がある場合でも入浴後すぐにきちんと消毒すれば問題ありません。

関節が曲がったままになっている人の注意点

関節が曲がったままで十分に伸びなくなる症状を拘縮といいますが、この症状はゆっくりと進行します。

  • 毎日少しずつ手足の関節を曲げ伸ばしすることによって、関節の変形進行を遅らせることができます。
  • 曲がったままの関節の部分に皮膚潰瘍が生じやすい場合がありますので、このような場合はあらかじめ関節をガーゼや軟らかい布で保護することも必要です。

日常生活を困難にする強皮症の症状

強皮症は手指をはじめとして、腕や脚、腹部、胸部、そして顔面などに皮膚硬化を呈します。また、呼吸に関する合併症(肺線維症、肺高血圧症)がみられることがあります。

  • 手指の皮膚硬化が進むと、関節の制限や指先の細かな動作がしにくくなります。
  • 腕が硬くなると、洋服の着脱や洗顔が困難になりますし、膝や足首が硬くなると、座ったり、立ち上がったり、あぐらをかいたりする動作に支障が出てきます。
  • 顔面の場合は、表情が作りにくかったり、口が開け難くなるなどの症状が出てきます。
  • 中には、日常生活活動が困難になることがあります。

本記事の制作・監修について
本記事は、群馬大学大学院医学系研究科皮膚科学 教授 茂木精一郎 先生に監修していただき、制作いたしました。